PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | --:-- | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

上高地遠征 プロローグ

■「その先」を見たくて
 
 年に二度の長期休暇をもらえる、幸せな牧師である私たち夫婦は、前々から9月の「夏休み」は上高地に行こうと話し合っていました。
 2007年10月下旬、私たちは初めて上高地にテントを担いで入りました
 その時は、すでに山々は白くなっていて、山歩きを始めて一年目の私たちには、北アルプスは登れない山になっていました。

 上高地は、大正池や河童橋という素晴らしい景勝地を清流梓川沿いにハイキングをできる、自然豊かな場所です。
 かつて私は高校の修学旅行でそこを訪れているはずですが、その時は友人Kの恋愛大作戦に巻き込まれて、景観は二の次でした。

 河童橋から、徒歩一時間の距離をそれぞれおいて、明神橋、徳沢、横尾と宿泊施設などがあり、やがて観光客は減り、登山スタイルの人たちが足早に歩き続けるのが目立つことになります。
 彼らの多くにとって、梓川沿いの美しい散歩道は、通過点にしか過ぎません。彼らの心は、もっと高い山頂にあるからです。

 2年前、私たちはその道を、のんびりぶらぶらと歩いていました。テントは徳沢の広い芝生に張っていました。
 横尾から橋を渡ると、登山道が始まり、一時間歩くと本谷橋で沢の流れを渡ることになります。その先は二時間ほどの登山となり、ついに日本有数のカール地形である涸沢(からさわ)に至るのです。
 その時、私たちは本谷橋の流れのそばでランチをして、引き返したのです。
 橋は、涸沢へ向かう人、涸沢から下ってくる人が行き交っていました。
 カップヌードルをすすりながら、私たちは、下ってくる人たちの表情に注目していました。

 「私たちの知らない何か」を見てきた人たち、そんな印象でした。
 見た人にしか分からない、言葉で説明できない景色を、心に大切にしまいこんで、言葉少なに下山する山の旅人・・・(あるいは、単に疲れきっていただけかもしれませんが)、ともかく、私たちは強いカラサワへの憧れを、熱いヌードルとともに飲み込んだのです。

 「あの先には、何があるんだろうね。」「今度はきっと、カラサワまで行こうね。」と語り合ったことでした。

■知らない高山に妻と登るということ。

 2009年9月6日、日曜日の夜、私たちは高速料金一律1000円の恩恵をかみしめながら、一路長野を目指していました。
 ハンドルを握りながら、ここに至るまでの労苦を思い起こしていました。
 
 一般に北アルプスで数日を過ごすということは、たやすいことではありません。
 まず休みが取れなくてはいけません。そして、それなりの装備が必要です。小屋泊りをするなら、かなりの出費も必要です。
 幸いなことに私たちは、年に二回、教会からまとまった休暇を頂けることになっています。
 装備はいままでそろえてきたもので間に合います。テントもあるので、小屋に泊る必要もありません。というかAnneは雑魚寝がNGなのです。

 私の登山技術は大したことはありませんが、一般ルートならまず問題ないそうです。(Suzukiさん談)

 最大の問題は、Anneを登らせる、ということです。
 Anneは、私といっしょに県北の山や大山、三嶺を歩いたり、蒜山山中泊をしたりしているので、ひょっとしたらそれなりのハイカーと勘違いされている方があるかもしれませんが、実は閉所・暗所・高所恐怖症で、加えて、腰痛・膝痛・肩痛・肘痛その他の~痛の問屋のような女性です。
 非力で、とくに下山が遅く(滑り恐怖症)、歩行技術はゼロに近いのです。またきれい好きで、汚いトイレはNGです。枕が変わるとなかなか寝られず、かつ寒さにとても弱いです。

 そんな彼女の強みは、「モッタイナイのこころ」、「失われない食欲」、「カメのように落ちないペース」です。
 モッタイナイのこころは、「ここまで来たんだから登らないとモッタイナイ」という気持ちに駆られると、限界を超えた力を発揮します。
 そして、どんなに疲れても、食欲が減退することはありません。食べるとまた力を取り戻します。
 さらに、遅くとも最後まで同じペースで歩き続けます。

 そんな彼女を高所につれて上がり、なおかつテント連泊するためには、
 1.テント内を真っ暗にしないために常夜燈を点ける。
 2.サポートタイツ着用・ストック使用。
 3.彼女の荷物は極力軽く。
 4.お風呂に入れないけど、それでも快適に生活できるよう工夫する。
 5.Anneの防寒着は多めに。

 つまり、「私がたくさん担ぐ」、という結論になります。
 苦心して持物を取捨選択した結果、結局、彼女のザックは7Kg程度。私のものが21・2Kgとなりました。屋久島単独の時より4・5Kg重くなりました・・。
 
 こんな苦労も知らずに、回りの人たちは、「Anneさんはかわいそうに。Stephanに付き合わされて・・・」とか、「夫の趣味にそこまで付き合うなんて、えらいなぁ。」などと言うのです。くぅぅ。

 夜の高速で、助手席の妻の寝息を聴きながら、「まぁ、でもとうとうここまで来たんだ」と感慨にふけりつつ、明日から始まる未知の山行についてあれこれと考えたりする間に、車は北アルプスへ確実に近づいて行くのでした。

「夫たちよ。妻を愛しなさい。つらく当たってはいけません。」
コロサイ3:19

| Outdoor | 19:26 | comments:4 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT

始まりましたね

大遠征編が始まりました。
いきなり「男は辛いよ!」から入りましたね
愛する妻を素晴らしい場所に誘おうとしているんですから
重たくても重くないですよね

| NIO | 2009/09/14 21:11 | URL | ≫ EDIT

お二人にしか分かち合えない時・場所・空気・感情etcがあるからいいのでは?
他人はあらゆる憶測で色々な事を言ったりするものですね。
でも、お二人の山行の写真を見る限り(嫌だったり苦しいことも多いかもしれないですが)実にうらやましく、清々しくも感じますよ!(ヨイショっ笑)
清々しく感じること・・・日常生活で感じることのない感情

| cavatina | 2009/09/15 07:41 | URL | ≫ EDIT

⇒NIOさん

 不思議なもので、重い荷物や、苦労したことは忘れて、美しい景色と澄んだ空気、妻の笑顔だけが記憶には残っています。

 そして、実際にはかなり彼女に支えられる結果になりました。

 荷物の重さについては、以前もobusaさんから、年齢的には40Kgは担げるはず、と言われた記憶があります。

 実際に山岳部の学生さんたちが30Kgを担いで縦走していました。

 もう5Kg担げれば、生野菜とか果物を加えられるのに・・。

| Stephan | 2009/09/15 07:47 | URL | ≫ EDIT

⇒cavatinaさん

 おはようございます。
 
>他人はあらゆる憶測で色々な事を言ったりするものですね。

 いえいえ。私が第三者だったら、きっと同じように言ったことでしょう。Anneの普段のイメージと北アルプス登山は、どうやっても結びつきません。
 Anneのことを心配してくれる人が多いということは、それだけ彼女が愛されているということ。それはそれでやはり感謝なのです。

 今、写真を見返しながら、「本当に私たち行ったんだよねぇ」と語り合っているところです。
 感謝。

| Stephan | 2009/09/15 07:56 | URL | ≫ EDIT















非公開コメント

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。