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上高地遠征・二日目 単独下見縦走 涸沢~北穂高岳~涸沢岳~ザイテングラート~涸沢

◆歩いた日:2009/9/8 Tue.

■まずはひとりで。
 5時前に目覚めると、テント地越しに夜明けが近付いていることが分かりました。
 天気は意外なことに晴れ。モルゲンロート(朝焼け)、見れるかな。

 今朝はこんな感じ。↓

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 夜明けの一部始終を見たくて、外で朝ごはんの準備をします。
 我ながら怪しげな風体です。

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 朝の水くみ。
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 ヒュッテのテレビでは、日中は曇り、翌日水曜日は快晴とのこと。
 日中は台風の影響による強風や天候悪化の不安もぬぐえないので、Anneとの奥穂高アタックは水曜日にすることにします。
 Anneには一日ゆっくりして昨日の疲れを取ってもらい、私は単独で北穂高~涸沢岳縦走に行くことにします。

 未知の高山に妻を連れて行くのですから、どれくらいの難易度なのか、危険性はいかほどなのかを、見てこようと言うわけです。慎重すぎると思われるかもしれませんが、穂高は遭難の絶えない山なのですから、甘く見てはならないでしょう。

 地図では北穂高~涸沢岳間の縦走路に「危」マークが入っています。奥穂高のルートには「危」マークはありません。縦走路を歩けば、奥穂高の危険度を知る目安になるでしょう。(地図

 下見とは言え、未知の領域への冒険に、心は躍ります。
 3,000m級の縦走です。とうとうこの日が来た・・・という気分です。
 「できるだけ早めに帰ってくるからね」と約束して、いそいそと準備します。

■神様のプレゼント。

 「じゃ、行ってくるね。」

090908_060639PENTAX ist DS

 ・・・が、しばらく登るうちに頭痛がしてきて、やや気分が悪くなってきました。
 血圧も低下しているようです。
 2,500mを超えて、高度障害が起こったようです。

 前日の疲労が残っていたせいもあると思いますが、メンタルな要素が大きかったと思います。
 未知の高山に対する恐れ。縦走路の危険性が把握できていないこと。天候悪化の可能性。何よりも、妻を待たせている以上、必ず無事に下山しなくてはならない、というプレッシャー。彼女は一人で夜を過ごすことはできないでしょう。
 
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(クリックで拡大します。)


 立ち止まって、体調不良と戦いながら自問します。
 「降りようか。そして、今日はゆっくり休もうか・・。それとも、登ろうか・・。」

 神様、どうしましょうか、と心で祈ると、聖書に記されたキリストの言葉が思い起こされました。

 「恐れないで、ただ信じていなさい。」マルコ5:36

 この言葉が心に思い浮かんだ時、気持ちはすっと軽く、明るくなりました。
 神様は今日一日、私を喜ばせ、楽しませて下さるおつもりだ、と確信できたのです。
 
 そこからは、実に楽しくすいすい登れました。

 やがて前穂高岳北尾根の向こう側に雲海が見える高さになりました。

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(クリックで拡大します。)


 目前には、今日歩く予定の縦走路の様子が確認できるようになってきました。
 なかなか険しそうです。
 奥穂・涸沢岳方面から、一人すでに歩いているのが見えます。

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(クリックで拡大します。)


 この方とは北穂高岳南峰基部で会う事ができました。
 そして一緒に北穂高岳山頂に向かいます。

 昨夜は穂高岳山荘に幕営したとか。水を買うのももったいないので、ビール・ワイン・水で7リットルを担いできたとのこと。「穂高岳山荘に幕営すると、日の出と夕陽がすばらしいです。ぜひ次はそこにテントを張って下さい」と勧められました。
 
 そして間もなく、誰もいない北穂高岳山頂に立ちました。
 同時に、生まれて初めて槍ヶ岳を目にしました。

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 槍ヶ岳は、今まで見たどんな山よりも存在感のある山でした。
 そこに槍ヶ岳がある、ということは知っていました。
 どんな山かも知っているつもりでした。
 しかし、目の前に存在する槍ヶ岳は、私の描いていた“槍ヶ岳”よりも、ずっと秀麗でした。
 
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(クリックで拡大します。)


 北穂高岳の山小屋は、頂上直下にあります。
 ここで、槍ヶ岳を眺めながら休憩。
 まさかこんなに晴れるとは思っていませんでした。

 槍ヶ岳から縦走して来られた、という方と話します。この方も涸沢岳・奥穂方面にこれから縦走するとのこと。大キレットのことなどをいろいろ伺います。この方とはまた穂高岳山荘でも会うのでA氏としておきます。

 そしていよいよ、縦走開始。
 北穂高⇒涸沢岳の難易度は、「岩登りをかじっている人なら、鎖やハシゴに頼らず歩けるくらい」という印象でした。もちろん、風雨や凍結などがあれば状況はまったく変わってきます。

 澄み切った空の下、気持ち良く3,000mのスカイハイクを楽しみました。

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(クリックで拡大します。)


 左手は涸沢カール。
 立ち止まって二度ほどケーナを鳴らしました。どこまでも音が反響します。きっとAnneにも届いているはず、と心をこめて吹き鳴らします。(届いていませんでした。)

 右手には笠ヶ岳(2,897m)。空の青さは、飛行機の窓から見るような深い青でした。

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(クリックで拡大します。)


 そのころAnneは・・・。
 ヒュッテのテラスで、ホットミルクを飲みながら、稜線をながめていました。右が北穂高岳、左が涸沢岳です。ホットミルク、美味しかったそうです。

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(クリックで拡大します。)


 縦走路には、白ペンキでしっかりと道案内がされています。
 これがなかったら、自分でルートを見つけなくてはならないので、倍以上時間がかかると思われます。ありがたい。

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 縦走路の様子。
 この方も、槍ヶ岳からの縦走をしてこられたそうです。

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(クリックで拡大します。)


 そのころAnneは、ヒュッテから移動して北穂高への登山道をすこし上がったところでスケッチなどしていたようです。
 この花は、実は有毒のはず。

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 こうしてついに、涸沢岳(3,103m)にたどり着きました。
 2・3人の方がくつろいでいらっしゃいました。 

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 わたしもちょっとくつろぎます。

 縦走路を振り返ると、北穂高岳の小屋であったAさんが、一つのピークに立っているところでした。

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(クリックで拡大します。)


 「おーい」と手を降ると、気づいて手を振ってくれます。
 Aさん、もしここを見ていたら御一報ください、写真送ります。

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(クリックで拡大します。)


■結局快晴。

 涸沢岳から、奥穂高岳の基部穂高岳山荘はすぐそこです。
 穂高岳山荘でうどんをすすっているとA氏が到着です。
 槍ヶ岳を見るには、北からがさらに恰好いい。ぜひ今度は北側から槍ヶ岳を見てほしい、と勧められます。双六(すごろく)岳とか大天井(おてんしょう)岳ですね。

 穂高岳山荘からは、有名な垂直のハシゴが見えます。奥穂高岳に登るのに一番怖い場所とされているところです。
 が、見た感じ、これならAnneも大丈夫、と思えました。
 奥穂高岳は、明日のAnneとの登山のために取っておくことにして、下山することにします。

 翌日の往復に用いるザイテングラートも、痩せた岩尾根でしたが、注意して歩けば別段危険はなさそうでした。よし、これなら大丈夫。

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(クリックで拡大します。)


 今度は午後の前穂高岳北尾根。
 ザイテングラートでは、横尾を出て穂高岳山荘を目指す人たちとすれ違います。
 登山雑誌から抜け出てきたようにおしゃれな若者たちもあれば、登山歴ン十年と思われるいでたちの方も。
 「初心者なのに、こんなところまで来てしまいました。わたし、大丈夫でしょうか。」と尋ねてくる人もあったりして、いろんな人がいろんな思いを背負って登っていらっしゃいました。
 山は、みんなのものなのだなぁ、と思ったことでした。

 ヒュッテに近づくと、テラスにAnneと思われる赤い服を着た人影が見えます。「ああ、ずっとあそこで帰りを待ち続けていたんだな」と、きゅっと胸に感じるものを覚えながら、力強く手を振りました。
 人影は立ち上がり、しばらくこちらを見ています。
 が、また座ってしまいました。

 近づくと、知らないおじさまでした。

 Anneは、その奥でカレーライスを食べていました。
 「えっ?もう帰ってきたの?」とのこと。
 心配かけまいと、早く帰ってきたのに・・。
 
 ともかく、ザイテングラート経由の奥穂高往復は、慎重に歩けば問題ないことが分かったので、翌日いよいよ日本で三番目に高い山に登ることが決定しました。

 結局この日は一日中雲ひとつない快晴でした。
 台風はだいぶそれたのですね。
 最高の山歩きの日となりました。感謝。

■ココハドコ?

 暑い中の行動でしたし、涸沢に帰ってきてから、再び高度障害によるとおもわれる食欲不振を覚えました。(単にフリーズドライものを食べたくなかったのかも。)

 で、妻とヒュッテの夕食(2,000円!)を食べに行こう、ということにしました。
 大奮発ですが、きっと美味しいものが食べられるのでしょう。

 予約をすると、メニューは驚いたことにステーキとウナギとのこと。
 指定された17時に出かけてみれば、食堂にはクラシックがかかり、木造りの素敵なレストランの雰囲気です。
 小屋番の方がウェイターのように立ち、給仕をされていました。

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 回りの方たちはワインやビールを注文し、割り箸を落として替えを届けてもらう人もあります。
 「最近、小屋の食事はどこもすごく良くなった。」とおっしゃる方は、ビールがすすんでいましたが、食事は半分も手をつけていません。
 今自分が山の中に居るのを忘れるような空間でした。
 ただただ、驚きでした。中山さんの名言「ザックは軽く、サイフは重く。」「諭吉さんが何でも解決してくれる。」の意味を味わったことでした。

 食事はどれも本当においしく、きれいに頂きました。
 心身ともに元気いっぱいです。食事って大切ですよね。次回来る時は、フリーズドライを減らして、がんばって生の食材を担ごうと思います。
 
 満ち足りた思いでテントサイトにもどり、寝袋にもぐりこみます。この日も月が美しかったです。
 明日妻を奥穂高岳に登らせるために、しっかり眠らなくては。

※私たちが上高地を去って数日の間に、私たちが通ったところ、眺めた縦走路などで相次いで厳しい遭難事故が発生しています。特にこれからの季節は岩が凍結しやすく、大変危険なコンディションにもなり得ると思われます。十分な準備と、各小屋での情報収集が肝要であると思います。

| Outdoor | 21:40 | comments:6 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT

気分爽快

とてもすがすがしくて雄大な景色ですね。

中国地方の山とはまったくスケールが違うようで
この目で実際に見て感動を味わいたいものです。

| cahcap | 2009/09/16 22:32 | URL | ≫ EDIT

やっぱり穂高

この夏は映画の影響ではありませんが
劔漬けだった私ですがやっぱり穂高はいい!!
紅葉前で「静かな穂高が独り占め」うらやましい限りです。
Anneさんの奥穂登頂が気になる。期待でわくわく

| 吉備の中山 | 2009/09/17 08:55 | URL | ≫ EDIT

いいね~!

中身の濃い一日だった事がよく判ります。
北穂で出会ったA氏が見つかると楽しいですね。

しかし良かったね~!
山では何よりもお天気が一番のご馳走ですから。
私は山に行かれない代わりに
昨夜、期限切れの迫ったフリーズドライを食べました。

明日も楽しみ!
(しかしながら連休が入るから、私が下山するところまで読むのは連休明けかな?)

| iwai | 2009/09/17 10:51 | URL | ≫ EDIT

⇒cahcapさん

 「これが日本アルプスか・・!」という感じでした。
 たしかに山のスケールが大きいですね。

 いつかぜひ稜線の旅人になってください。
 ケーナを吹くと、余韻がどこまでも圏谷に響きました。
 感動しました。

| Stephan | 2009/09/17 19:11 | URL | ≫ EDIT

⇒剱漬けの中山さん

 快晴のバリエーションルート登攀、おめでとうございます。
 うらやましいです。いつか、私も剱に登りたいものです。
 出来れば、残雪期の長次郎雪渓を・・・。

 涸沢・穂高、確かに人が少なかったようです。
 テントも10張程度だったと思います。
 多い時は200張!とか、小屋の布団に1枚に3人!とか、聞かされました。

 Anneの奥穂アタックの記事、準備中ですが、ちょっと時間が無くてなかなか書けません。しばしお待ちを。

| Stephan | 2009/09/17 19:18 | URL | ≫ EDIT

⇒iwaiさん

 我が家にも、今大量のフリーズドライ食品があります。しばらくは見たくありません。・・・。

 個人的には尾西の製品が好きです。

 記事、時間を見て書きたいと思っていますが、しばしお待ちください。
 連休は休めるのでしょうか、それともお仕事?
 どうか神様の守りが豊かにありますように。

| Stephan | 2009/09/17 19:21 | URL | ≫ EDIT















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