PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | --:-- | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

大山北壁・弥山尾根西稜だと思うハイク (1,709m/鳥取県)

■歩いた日 2010/2/8 Mon.

■あっという間に大山に行くには。

 今シーズンの目標であった、大山・弥山尾根に行ってきました、山の先輩Suzukiさんと。
 日曜日の夜、教会総会の余韻も残ったまま、寝具・山道具を積み込んだ車で出発。
 高速1000円を活かして、高速でひた走ります。

 車内の話題は、「神とは何者か」について。自分の存在に関わる本質的な話題ですし、下手をすれば論争になり得る内容かもしれませんが、楽しくエキサイトしながら語り合ったことでした。
 ザイルで結びあう以上、どんなことでも語り合える方がいいですね。

 そんなわけで、もうついちゃったの!?という感じで駐車場着。
 大山の二月とは思えない暖かい車中泊でした。深夜でも氷点下にならなかったのではないでしょうか。

 朝、聖書を読んでいて目に留まったこの聖句。

 「ラブ・シャケは言った。
 『ヒゼキヤに伝えよ。大王、アッシリヤの王がこう言っておられる。
  いったい、お前は何に拠り頼んでいるのか。・・』」
   イザヤ書36:4

 
 これは、紀元前701年のアッシリヤによるイスラエル侵攻の時、ヒゼキヤ王に投げかけられた問いです。
 ヒゼキヤは、もちろん神様により頼む訳ですが、寝袋にくるまってこれを読みながら、「ん、今日はこれを問われるような山になるのかなぁ」と予感したことでした。(的中

■どの尾根?

 さて、朝ごはんを食べる時に、お湯を沸かしてインスタントコーヒーをテルモスに詰めます。
 これは、こないだの鎌ヶ岳で吉備の中山さんから学んだ知恵です。

 今回は、人生で一番おいしいコーヒーを作ることに成功しましたよ。
 もったいないけれど、皆さんにそのレシピを公開しちゃいます。

 ※「人生で一番おいしいコーヒー」の作り方
  ・インスタントコーヒー(銘柄・賞味期限適当)・・・適量
  ・粉クリーム・・・適量
  ・砂糖・・・適量
  ・熱湯・・・入れ物がいっぱいになるまで
  ・飲み方・・・もっとも厳しく・不安で・寒い山で飲むこと


 さて、50mザイルも担いだのでやや重いザックを担いで出発。予報通り曇天。冷え切らない空気で、氷柱から水滴が落ちています。

100208_090148PENTAX K10D

 大山寺を経て、元谷に出てみれば、北壁はすっぽりガスの中です。ああ、展望の無い雪壁をなんでわざわざ登ろうとしているのでしょう・・。「よし、これは訓練だ」と自分に言い聞かせます。
 でも、ここを訓練にして、私はそれ以上どこに登るのでしょうか。

 などと自分に問いかけていた時、驚くべきことばがSuzukiさんから発せられます。

 「ワカラン。」
 「・・え?」
 「どれが弥山尾根かワカラン。」

100208_100259PENTAX K10D

 特徴的な形の別山(別山尾根)が見えれば、その左隣りが弥山尾根、なわけですが、厚いガスでワカランというわけです。
 この日、この「ワカラン」を幾度となく聞くことになります。

100208_100649PENTAX K10D

 で、おそらく今登ろうとしているのは別山尾根ではないか、ということになり、トラバースして隣の尾根に。
 雪が重くてラッセルが辛いです。
 新雪が多ければ、表層雪崩が心配なコンディションだったのではないでしょうか。

P2080007.jpg
Photo by Suzuki

 そして、ワカランまま尾根に取りつきます。
 「どうですか、ここが弥山尾根っぽいですか。」
 「前来た時と、雰囲気が違う。ワカラン。
 「前って、いつ来たんですか?」
 「30年前じゃ。」 おお・・・。

 1ピッチ目、初めての雪壁リード。雪がやわらかくなってピッケルもアイゼンもしっかりと打ち込まないと効きません。
 でも、恐怖感を感じる斜度ではありません。登っていたら、気付いたら片足のアイゼンが外れていました
 取りに下るのはちょっと怖かった。

 ※教訓・・・アイゼンのバンドは時々締め直しましょう。

100208_111402PENTAX K10D

 そこからは、つるべ方式でリード&フォロー。
 上部の展望はまったくありません。ワカラン尾根を登り続ける不安・・。ところどころトレースはあるものの、弥山尾根以外の尾根だったら・・・と私の弱虫センサーはとっくに反応しっ放しです。
 でも、この先行きワカラン感がタノシミになるのがSuzukiワールド。(いかんいかん。)

P2080011.jpg
Photo by Suzuki

 休みなく登り続けて、気付けば正午を過ぎていました。
 空腹と疲労、そして寒さを強く感じました。
 いつもなら、大概の山歩きでは何かを口にすることは無いのですが、思った以上に消耗していたようです。
 あ、しんどいなと思いつつ、これが雪山なんだな、と納得。いつもは残していた「余力」を使い始めていることに、危機感を感じます。

 その時、やはり朝の聖書を思い出します。
 「いったい、お前は何に拠り頼んでいるのか。・・」
 その問いかけに、私の心は「天のお父さん。あなたです。」と答えました。
 この自然界を造り、また私を造り、私のためにキリストの命までも与えてくださった方。
 この方に依り頼んでいる以上、何も恐れる必要はない、と心が明るくなります。

 何ピッチ目かのリードを終えると、痩せた雪稜に低いけれどしっかりしたブナの木がありました。
 その木にセルフビレイを取って、ザックも固定します。
 ザックから、テルモスを取り出してコーヒーを飲みました。
 その美味しさに驚きました。
 口に含んだ、あたたかくて甘いものが、喉から食道、胃に伝わって行くのが分かりました。体中が水分と糖分そして温度を喜んでいます。感動のあまり、涙が出そうなほどでした。

 ゆったりとした心持ちになって、雪壁を上がってくるパートナーを確保しながら、この極上の液体を分けてあげれることを喜んだことでした。

■弥山尾根だったみたい

 7・8ピッチほど登ったところで、もう大丈夫だろう、とコンテに切り替えました。
 コンテ(コンティニュアス)というのは、同時に登攀することで、どちらかが落ちたら、瞬時に手元でわっかにしておいたザイルの中にピッケルを通して雪面を刺して止める、というものです。
 ・・・・止まるはずがありません。技術的にも、雪の状態的にも。無理です。
 今の私には、コンテ=気休めでしかありません。まず落ちない場所でしか、やる気になれません。

 見通しが無いまま登り続けると、突然斜面ではなくなり、真正面からの強い風に吹かれていました。
 ほとんどホワイトアウトの状態でしたが、主稜線に出たようでした。目を凝らす数歩先にかすかに雪と空の区切りが見えます。そこからは白い闇の数歩先をにらみながら山頂を目指しました。

 どうやら、私たちが登ったのは弥山尾根(多分西稜)で合っていたようです。
 30年前とは地形がかなり変わってしまったのかもしれません。あるいは、Suzukiさんが登ったのは東稜だったのか。

 ともあれ、小屋で遅い昼ご飯を取った後、二月の大山の強風に時折バランスを崩しそうになりながら、とっとと下山しました。(六合目~元谷)

100208_154742PENTAX K10D


■恥ずかしがり屋さん

 こんな具合で、無事車に帰りついたのですが、溝口まで帰ったら、なんとガスが晴れていました。
 いっつもこのパターンなんですよね。

 シャイな大山は、最後にこっそり顔を見せて、「来てくれてありがとうね。」と言ってくれているんだな、と無理やり好意的に解釈しています。

100208_170322PENTAX K10D

 今回はルートに確信が持てないまま、雪質も悪く、加えてまったく展望の無い登山になってしまいましたが、それはそれで訓練と思えばとても良い経験になりました。そして、それはどんなに難所に差し掛かっても対処法を心得ているパートナーが居てくれたから、ということは言うまでもありません。

 ※大山北壁はルートに自信が持てない状態で取り付いてよい場所ではありません。念のため。

 課題も幾つか見つかりました。
 特に支点の取り方は、大きな研究課題です。灌木の無い痩せた雪稜で、しかも雪が緩んでいる場合の最善の方法を知りたいと思います。

 ↓今回登った尾根
misen.jpg
中山さんのブログより、晴れてたらこんな感じなのかぁ・・)


 曇りの一日でしたが、夕暮れには光がありました。
100208_170635PENTAX K10D

 この日も、忘れられない山となりました。
 感謝。

| Outdoor | 03:09 | comments:10 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT

無事登頂おめでとうございます(^O^)/

毛無山からの帰りの車中で「天気大丈夫かな~気温が上がりそうだし....」と話しておりました。

>シャイな大山

同感です。
山頂に近づくとガス、下山すると晴れ。
このパターンが多いような気がします。

だからまた行こう!と思うんですよね(^_^)

| まーちゃん | 2010/02/10 23:01 | URL | ≫ EDIT

⇒まーちゃんさん

 速攻コメントありがとうございます。

 シャイな大山と仲良くなっていきたいですね。
 安全に。

 それはそうと、こないだ書かせて頂いたコメントの工夫、分かりました?

| Stephan | 2010/02/10 23:08 | URL | ≫ EDIT

弥山尾根

弥山西稜登頂 おめでとうございます。

好天だったら、もっと良かったでしょうが、ガスで下の景色が見えないほうが良かったのかも(笑)

ご存知かも知れませんが、大山の尾根などの名称が統一されて「4方面の概念図」が完成しています。
http://www.wcsnet.or.jp/~rei/daisen/daisen.html

次回?の参考にして下さい。

| たくや | 2010/02/10 23:17 | URL | ≫ EDIT

えっと、
頭文字を縦読みで

うつくしい!!

ですよねー!
....って今気づきました( ̄▽ ̄;)

| まーちゃん | 2010/02/10 23:28 | URL | ≫ EDIT

⇒たくやさん

 早速のコメントありがとうございます。

>ガスで下の景色が見えないほうが良かったのかも(笑)

 確かに!!v-14

>「4方面の概念図」が完成しています。

 なんと!!こんな便利なものが・・・。
 ありがとうございます。

 じ、次回・・?

| Stephan | 2010/02/10 23:31 | URL | ≫ EDIT

⇒まーちゃんさん

 ふふふ。
 だって、本当に美しかったものですから。

 良かったですね!本当に。

| Stephan | 2010/02/10 23:36 | URL | ≫ EDIT

楽しそうですねえ

 Stephanさんおはようございます!変わらずバイク三昧のirisno2です。

 なかなかハードな雪山のようですね~。僕には絶対無理です(汗)。

 でも、Suzukiさんという信頼のおける方とご一緒なのが大きいのでしょうね。そして何よりStephanさんのご努力の賜物なんでしょう。

 僕としては、自らは危険を冒さずして北壁を登った気になることができるので、楽しく読ませていただきました。僕も「次回」、期待しています(笑)。

 でも、安全は第一でお願いしますよ。

 それにしても、「ワカラン」連発、大笑いしてしまいました。

 道中のお話を含め、お二人の会話に入ってみたい気がしました。

 でも、それにはザイルとピッケル、なにより強靭な精神力が必要なんだよなあ・・・。

 無理だな、きっと(笑)。

 

 

| irisno2 | 2010/02/11 09:16 | URL | ≫ EDIT

コンテでの確保

止まらんよなあ・・・。

私習ったのはカラビナ使う方法。練習では敢え無く失敗。
わっかにピッケル法もそのとき話題になりました。
できそうですか?

| のほ | 2010/02/11 18:26 | URL | ≫ EDIT

⇒irisno2さん

 こんばんは。
 いつもながら、丁寧なコメントありがとうございます。

 「次回」というのが、弥山尾根以外のルートなら、さらにレベルを上げることになります。
 そのためには、アイゼンでの岩登りとか、雪上での確保とか、技術的に色々大変なのです。

 来シーズン、その気になる確率は10パーセントくらいだと思います。

 また、どれだけ技術を身につけても、山のレベルを上げていくという事は、総合的に見れば危険度は増していくようにも思います。
 ここいらで十分、という自分なりのラインをはっきりさせなくてはなぁと思っています。

 バイクも、タイヤが二つしかないわけで、やはり転ぶ時は転ぶのだと思います。
 安全第一でいきましょう。お互いに!

| Stephan | 2010/02/11 22:19 | URL | ≫ EDIT

⇒のほさん

 止まらんでしょう。
 一応昨年コンテで止める練習はしました。
 http://stephan4.blog35.fc2.com/blog-entry-1604.html

 その時は止めれましたが、本番で止められる自信なんてさらさらありません。
 そもそも、確保に十分な雪が無かったら、とか雪が軟らかかったら、とか考えたら、コワクテコワクテ。

 カラビナを使う方法があるんですね。興味深いです。

 それからスタンディングアックスビレイは、もっと確実にしたいです。
 そして、雪面での支点の取り方。

| Stephan | 2010/02/11 22:27 | URL | ≫ EDIT















非公開コメント

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。