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一歩先へ 恩原三国山縦走 3

歩いた日:2012/2/20 Mon.

■一歩先へ
 ひたすらラッセルし続けて歩いたせいか、あるいは、景色の大きさと非日常的な美しさのせいか、何だかテント縦走でもしてきたかのような、不思議な感傷も覚えつつ、足跡一つない真白な尾根を登り続けました。

IMGP3872.jpg

 歩くほどに目に映る光景は変化して、心を刺激します。
 
IMGP3874.jpg


 凍りついた樹々が点在している様子は、アスランを待つとらわれの動物たちを連想したりして。
 これもまた、初めて見る景色だったのでした。

IMGP3888.jpg

 こんな風に発達した霧氷が1200m峰で見られるとは思っていませんでした。
 うれしい驚き。

 こうして、写真を見直す時、自分がここをひとり歩き続けたことが、何か夢の中の出来事のように思います。
 しかし、実際に私はこの山を歩きましたし、付け加えて言えば、写真以上の美しさの中に身を置いたのでした。
 心のふるえを感じながら。

IMGP3889.jpg

 ただ、そろそろ時間のことが気になり始めました。
 私は冬山の単独ハイクは、14時下山を基本にしています。
 ギラガ山頂に立った時、時刻は11時半でした。8時出発ですので、3時間半歩き続けたことになります。
 これ以上先に進むと、14時に戻ることは難しくなると思われました。
 今回は15時下山に延長するとしても、果たして三国山までたどり着けるでしょうか。
 連続ラッセルで足もかなり疲れてきていました。
 
 前回もギラガまでで引き返しました。
 条件的にはこれ以上良い日は今後そうそう無いでしょう。今回は一歩先に進むチャンスです。何といっても、これらの山々がもっとも美しい日に相違ないのです。
 
 本当は16時に下山しても、17時に下山してもいいのだ、ということは、知っています。
 けれど、それは結果としてそうなっても大丈夫、ということで、最初から設定するべき時間ではない、と私は考えています。単独行の時はなおさらそうです。

IMGP3898.jpg

 ツェルトもあることだし、食料もたくさん担いで手をつけていません。万が一ビバーグになっても、死にはしないだろう、ということまで考慮したりしました。
 今こうしてコタツで暖かくパチパチとパソコンのキーを叩いていると、何だか、このギラガ山頂での逡巡が慎重すぎるような気がしますが、冬の単独行の時の気持ちは、やはりそれくらい慎重になってしまうのです。私の場合は。
 だって、何か一つのアクシデント(天候の急変、ねんざ、スノーシューの破損)があれば、容易に下山は二時間でも三時間でも遅れてしまいますし、二つのアクシデントが重なれば遭難を意味するからです。

 今回の山は、アップダウンをくり返す、なだらかな稜線歩きなので、下山も、往路と同じくらい時間がかかることが予想されました。
 ただし、帰りは自分のトレースをたどれるので、ラッセルはずっと楽なはずです。
 しかし、日差しの強さにさすがに雪も緩むと思われ、重い湿雪の中を歩くことになることも予想されました。
 気持ちはなかなか定まりません。

 でも・・、と自分に言い聞かせます。
 こんなに素晴らしい山の一日をプレゼントして下さっている神が、共におられるではないか、と。
 危険を冒さない範囲で、大胆に楽しもうじゃないか、と、そう思えたのです。
 そして、改めて地形図を確認した時、三国山山頂は、私が思い込んでいたピークではなく、その手前のやや低いピークであることが分かったのです。(ルート図
 あそこなら、何とか15時下山の範囲内で行ける、と判断して、ついに一歩を踏み出したのでした。

IMGP3899.jpg

 モンスターのように発達した霧氷の林を楽しみながら、やがて、三国山山頂に達しました。
 そして、そこで初めて食べ物を口にしました。
 魚肉ソーセージ一本。
 それが、私がその日の7時間強の山歩きで食べた唯一の食料でした。(だってひたすら歩いたんだもん)

 山頂ではSoftbankの電波が入ったので、妻に連絡を入れます。
 「万が一今日中に帰らなくても、明日にはきっと帰りますので、救助要請とかしなくていいから」と伝えたところ「そんなの認めません」という反応でした。何としてでも、ちゃんと帰らねば・・。

IMGP3904.jpg

 帰路はやはり、次第に雪が重くなってくるのを感じました。

 人生は山登りに例えられますが、両者には大きな相違があります。
 山登りは、登ったら下山しなくてはならないのです。
 人生は、天国がゴールです。そこにたどり着けさえすれば、後戻りする必要はありません。

 辛い帰路になるかと思いましたが、やはり、相変わらず景観は素晴らしく、重い足上げの連続ではあったものの、喜ばしい行程でした。

 そして、嬉しいことに、ギラガを過ぎたあたりで、三国山を目ざす二組ものパーティーと出会ったのです。
 まさか、こんなマイナーなルートに平日来られる方たちがあるとは思っていませんでした。
 それぞれ私のラッセルにお礼を言って下さいましたが、私としては帰路のトレースをよりしっかりして頂いたのがなんとも有り難かったです。

IMGP3918.jpg

 結局の所、すべてが好ましく、パーフェクトに整えられたハイクだったのでした。
 日帰りハイクなのに、長期遠征したかのような、感動と充実を覚えたことでした。

 下山は予想通り15時過ぎ。
 長くも短い山の一日だったのでした。


 ふぅ。やっと記事を書き終えました。
 (読まれたあなたもお疲れさまでした。)

 多分私は、この一日のことを、写真も含めて、こうして記事にしてどうしても残しておきたかったのでしょうね。
 あまりにも美しい景色に身を置いたから、というのもあるでしょうが、キリストのこまやかで大きな愛を、全身で味わった日だったから、というのが、一番の理由なのだと思います。

 感謝。

IMGP3927.jpg

| Outdoor | 23:19 | comments:4 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT

GPS付きビーコン

ニュージーランドのある渓谷のトレッキングには、救助が必要な深刻な事態に陥った際に、ビーコンで信号を発すると、30分以内にヘリが飛んで来るシステムがあるそうです。
先生も是非これを携帯して下さい。奥様も安心ですよ。

| tashirose | 2012/02/25 22:07 | URL | ≫ EDIT

ほほう。
でも、ニュージーランドからだと、救助ヘリはだいぶ時間がかかりそうですね。

直接関係ありませんが、ベーコンが好きです。
今回は魚肉ソーセージ一本しか食べませんでした。菓子パンとか甘いものを体が受けつけなかったのです。でもベーコンなら食べられそうだな、と思いました。

今日もよい日曜日を!

| Stephan | 2012/02/26 08:44 | URL | ≫ EDIT

小出しでしたが

回を重ねるごとに引き込まれていこました。そして大胆さだけでなく、慎重に行動されていることがよくわかりました。
私も単独が多いいのですが、最悪を想定して予備食などにも力を入れようと思いました。
ため息が出るほどの美しさですね。あやかりたい・・・

| yankiy65 | 2012/02/29 08:52 | URL | ≫ EDIT

おはようございます。
ほんとうにいい山歩きになりました。

冬は、ツェルトはやはり持っていくようにしています。
雪のシーズンもあと少し。
安全に楽しみましょう~♪

| Stephan | 2012/02/29 09:26 | URL | ≫ EDIT















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